小雨

『外出は控えましょう』
あっ!
お兄ちゃんは
何か頼み忘れたり
したものは──
ありませんか?
今日の買い出し当番は
立夏ちゃん。
細い腕にぐっと力を込めて
みんなよりはちょっとお肉がついていて
しっかり頑丈だから
だいじょうぶ!
と、鼻息も荒く張り切っていましたけど
本当かなあ?
ウイルスは腕についている筋肉では
なかなか防げそうにない相手だし
早く帰ってきてくれるといいですね。
なるべくお外に出ないで
少なめにした買い出しの際に
どうしても必要なものを──
頼むことにしましょう!
みんなで決めたルールだけど
大好きだった図書館や
鉄棒のあるいつもの公園にも、
しばらくはお出かけする予定がありません。
せっかく暖かくなって
うきうきしているのに
子供たちがかわいそうじゃないかって
お姉ちゃんたちは小雨に相談してきます。
そうだなあ──
最近のみんなの様子と言えば──
でも意外と、
家の中にいても
わいわいやることはいっぱいある感じだし
宿題を進めながら
お部屋の中から庭を見ていると
毎日の変化が──
今はとても楽しい季節。
それに小雨は
お姉ちゃんたちがいつもそうしていたみたいに
自分の宿題を早く終わらせて
小さな子たちを見てあげたいなって
リビングで机に向かっていると
やっぱり妹のお世話をしたい子たちが
小雨の周りに集まって教科書を広げるの。
そうしているうちに
お兄ちゃんもやって来たりして
ときどき顔を上げてお話もできたり──
小雨はただ、いいお天気ですねって
そう伝えられたら、
それだけでぽかぽか──
胸があったかいのが春のせいなのかどうなのか
わからなくなってきます。
どきどき──
立夏ちゃんが早く飲み物をもって帰ってきてくれたらいいような、
それとも──
このままでもう少しいられたらなって
思うような──
まだ飲み物はホットが人気です。
ココアの季節ももうあともう少しかもしれないですね。
お兄ちゃん、今日も小雨のおうちのまわりは
とってもいいお天気でした。
知っていると思うけど、でもそんなお話をしたいこのごろなんです。