『ハニー』
ある日は暖かく
またある日は急に冬に戻ったようで
春のお天気は安定しないといいますが
まさに今週も季節を行ったり来たり、
なかなか落ち着かない天候になる予報です。
ひらひら薄桃色が舞い散る景色のはかなさが
長く続かないのはわかるけど
子供から大人の人間まで着たり脱いだりの忙しさに
つられる必要はないと思うの──
思いながらも今日もまた
午後の気まぐれお天気の
重たい曇り空の下に
隠れた太陽のかわりで薄着の子へ一枚着せてあげようと
目を凝らすのは砂まじりのお庭。
ついに海晴お姉ちゃんが決めたお花見の日は
四月一日のきりのよい日付なの。
春休みを過ごす家族が
急ぐほどでもないけれど余裕も見ておきたい──
というあたりの計画でしょうか。
はたして気持ちのよいお花見日和を迎えるかどうか
知るのはただ天の神様と
わりと変わりやすい一週間予報のみとなっています。
私たちができることは
その日を信じてただ待つことだけ、
それからもしも寒さが戻ってきたときのために
一応はお弁当に体の温まるメニューを備えておくということ、
などです!
温めたスープを入れておく水筒は洗って並べて
乾くまで逆さになってぞくぞくと天を突く。
金属色の光沢が照り返すこの冷たそうな眺めが
やがてまもなくみんなを寒空から身も心も守る保証になるなんて
世の中は思いがけないことばかりですね。
今はポットで沸いている
家族をおなかから温めたくてじっと待っているお湯は
やがて冬の気配をわずかに残す景色へ旅をするお供に変わる──
お兄ちゃんも寒い日があったら
もりもりコーヒーや紅茶をリクエストしてください。
お花見を待たなくてもいいので──本日は蛍がお供できそうですので。
それに忘れないで食材も仕入れておきたいし
外せない定番から、みんなの考案した変り種メニューのおにぎりなどを
残らず抱えて
いい思い出を作るお手伝いができたらとおもいます。
はちみつ入りのおにぎりは
イデアを話し合う段階で早くもボツと決まりましたが
全てのメニューに家族の甘い愛情が込められていると感じます。
なんとなくわかるものなんです。
問題は全部を形にしても
持ちきれないということかな──
今からたくさん入るカバンの準備をして
体を鍛えておいてもまにあうかしら?
春休みは始まったばかりなのに
なんだかしたいことの予定がいっぱいのような気がしてきますね。