星花

『三が日のお話』
新しい年、
身も引き締まるきれいな晴れ着。
そしてさわやかなあいさつ──
お兄ちゃん、新年あけましておめでとうございます。
これで今年の始まりはばっちり。
いい年になりそうだと
お出かけした結果が
なんと──
初売りのお店が長くいられないほど
かなりの混雑。
くもりがちな空、
帰路を急ぐ足取り。
初詣に行った星花たちも
寒さに負けて早々に引き上げて
おうちであたたかくしていたといいます。
なにしろ──
春風お姉ちゃん特製の
お正月メニューが
待っているんですもの。
寒い日が続いて、
評判だったみんなのおせちもそろそろなくなりそう。
まだまだ楽しいお正月を
そんなに簡単に終わらせないために──
春風お姉ちゃんは張り切った。
混んでいるお店から逃げ帰った子も、
冷たい風に凍えた子も
お庭を駆けまわっていたり
おうちでお手伝いしていた子たちだって
あたたかいメニューがあるテーブルに
急いで集まったというのだから
おせちばかりじゃなくても
お正月はとてもいいものだ。
おでんもある。
おぞうにもある。
冬に食べたいほかほかの湯気がのぼるすべてが
優しいおだしの香りによって
みんなを包み込むというのです──
なんとなく気持ちがうきうきするお正月も、
おうちでゆっくり
みんなで過ごすというのが
格別な良さがあると思います。
なにしろ、冬休みもあと少し。
ここで風邪なんてひいたらもったいない──
そんな思いで
みんながひとつになっている。
新しい年のすべてを
新年からもっともっと
何ひとつ逃さずものにするために──
お兄ちゃん、これからすごろくが始まるんですって。
わいわい集まって、みんなでお正月を
もう少しだけのあいだ、堪能していきましょう!