虹子

『はるのおやすみに』
ごほんをさがしに
いきたいの。
やまをこえ
うみをわたり
としょかんへ、
ほんやさんへ。
よいごほんのおいてある
それは、どこだ?
おにいちゃんとてをつないで
さがしにいくの。
はるやすみなんだもの。
おにいちゃんは、どんなごほんがすき?
ねこのでるごほん、
いぬのでるごほん、
ひつじのとうじょうするごほん。
それはおにいちゃんと
よむごほん。
おにいちゃんと、にじこがよむごほん。
いったい、どこにあるのかな?
はるのひに──
ぽかぽかあたたかくても、
くもりぞらのしたでも
さむいかぜのおとがしたって
ごほんをよんだら
こわくなんてない。
たとえ──
おそとであそべなくて
ないているこどもでも、
イカやタコのインクをかけあうあそびにまけて
くやしいこどもでも、
おにいちゃんとごほんをよんだら
それだけでとっても
いいいちにちになるのだと
ちいさいこは
だれでも、みんなしっている。
これからさき
おにいちゃんがそばにいてくれる
はるのまいにち。
いっしょにごほんをよんでもいいの──
いくらでも
いっしょにいてくれる。
いつまでも
にじこがねがうだけずっと──
それが、はるのおやすみのひ。
いいごほんをよめたらいいな。
きょうもいっしょなんだから!