夕凪

『準備は万全!』
できるだけのことは
全部した!
夕凪も苦手なお菓子作りを
なんとか終えて──
あとは包んで
思いを込めたらできあがり。
今年もいろいろあった──
でも、みんなで励まし合って
なんとかなった気もする!
みんな、できるだけのことはできたかな?
春風お姉ちゃんは、あーちゃんがお兄ちゃんから離れないのを
お世話してあげるついでに
いろんなお話ができたって喜んでた。
いいな!
その手があったか!
氷柱お姉ちゃんは、お勉強のことでお兄ちゃんと話が合って
特に夕凪の勉強を見守る話のついでに
バレンタインの相談もそれなりにすることになったって
言ってた!
いいな!
その手は夕凪ではできないな──
もっとお兄ちゃんと
話ができることがあるとすれば、
おまじないが得意な夕凪のカンによると
どうやら明日は──
大変そうだ!
バレンタイン当日は
どうもおそらく
とってもにぎやかな出来事があって
いろんな話が飛び交って
みんながちゃんと自分の気持ちを
伝えることができて
とっても楽しい日になると
夕凪はなんとなくそんな気がする──
でもでも、これはなんとなくだから
ついでにお兄ちゃんと
明日のバレンタインの話をして
お兄ちゃんが喜ぶ渡し方や
一緒に食べるようにするのもできるか
いまはわからないよー。
あれ?
できることはまだ全部やってないかもしれない──
もっとお兄ちゃんから
明日のために聞き出すことがあったのかもしれない!
でも、今は前日の夜。
もうここまで来てしまった。
今になって気が付いてもなかなかむずかしいこともある。
となると
あとは──
泣いても笑っても
ぶっつけ本番で挑むしかないのだ!
それなら夕凪の得意技だ!
きっとお兄ちゃんのことが大好きな家族のみんなも
伝えたい気持ちの話になると
もう、
ぶっつけ本番しかなくて
それが一番得意な気がしていそうだ──
夕凪のカンがそう言ってる!