虹子

『それからにじこは』
はるがちかづく。
あたたかく──
どこにいても
ぽかぽか
ほっこり。
やっぱり、はるじゃなくっちゃあ
つまらないな。
にじこは
にこにこよろこぶし──
おにいちゃんのてを
ひっぱって
あそんでほしくなるの。
おにいちゃんのてもあたたかい。
はるも
ふゆのむかしの
すぎたひも──
おにいちゃんとてをつなぐと
いいことばっかりだ。
これからは
まいにちが、あたたかいと
うれしいな。
むむっ!
さむくない!?
ふゆのひに
なってしまわない?
こまるの──
はるがきたから
うれしいにじこが、
どうなってしまうんだ?
ふゆにもどると
はるのにじこは
どこにもいなくなってしまう。
たいへんだ!
みつけなくちゃ!
にじこちゃん──
あたたかいほうへ
つれていってあげる。
しっている?
それとも、しらない?
あたたかいのは
こっちのほう──
にじこがよく
しっているほうへいかなくちゃ。
おぼえていてよかった
すばらしいほうへ
いかなくちゃ。
かぜがふいても
ゆきがふいても
にじこはもう
おぼえてしまった。
おにいちゃんのなまえを
よんで──
さがしたら──
きっとつかまえられる。
もう、まちがいなく
あたたかい──
はるのにじこは
どこへいった?
きっともう、おにいちゃんにだっこされて
ぽかぽかしているにちがいない。
はやくおいついて──
にじこもあったかくなりたいな。
おにいちゃーん!