海晴

『変身』
プランク
スクワット!
マウンテンクライマー!
……
ハァ
ハァ……
ハロウィンまでには
見違えるように絞った体になって
若い時だけの特権、
ちょっと体の線が
見えないこともない
くらいの服を
身に着ける計画が──
体型はそんなに
すぐには変わらないけど
日常の動きが少し軽快になったような?
気のせい?
くらいの感じに!
昨日も今日もあしたも
筋肉が喜んでいる──
なんだったら、ハロウィンには
たくましいフランケンの怪物にもなれて
子供たちを怖がらせることだって
できるかも、
なんて期待は
夢と打ち砕かれ、
このところ低めの気温や
よく汗をかく体を冷やさないようにとの
蛍ちゃんの考えで
やわらかあったか素材の衣装の子が
今年は多め。
麗ちゃんの覚悟もあまり意味はなかったわね。
それとも、子供にはかわいい服のほうが恥ずかしい?
暖かいかぼちゃの献立を中心に
すっかり人の体を気遣える
立派な蛍ちゃん。
それに引き換えこちらは
やる気も儚く
なかなか引っ込まないお腹──
でも、なんだかんだで
体を動かすのは楽しいし、
筋トレ、続けてみたいな。
かわいくて照れ屋の子供たちが
毎日いっぱいの大声で駆け回るのを
うらやましく思っていた日々に──
おんなじくらい汗だくで、
きのうより今日、
大きくなっていく実感を
見つけられたら
また、あんなに輝く笑顔を
みんなに見せられるかもしれないもの。
運動の後の
滝のように流れる汗が
輝いている日課
ハロウィンだけじゃなく
変わっていく私を
またいつか──見つけてみてください。