星花

『春風お姉ちゃんが!』
わがやの自慢、
明るくてやさしい春風お姉ちゃんは
今日も忙しい。
片付けをして
お料理をして、
お外で遊ぶ薄着で走り回る子を追いかけ
着替えとタオルを持って走り回り、
ときどきゆっくり
お茶を飲んで──
いつもみんなに囲まれている
かわいいお姉ちゃん。
その人気者の
なんでもできる
春風お姉ちゃんが、
なんと今日は
指をけがしてしまった!
お料理の途中で
まさか──指の先をちょっと切ってしまうなんて!
誰もが慌てて
駆けつけて──
こんな時は、みんなが春風お姉ちゃんを
助けてあげたくなるの。
座ってていいよ──
ゆっくりしていていいよ。
お兄ちゃんにそばにいてもらっていいよ!
本当は、みんなが一緒にいたいお兄ちゃんだけど
こんなけがをしてちょっと怖がっている
みんなのやさしい春風お姉ちゃんの隣には
お兄ちゃんがいなければいけないような
そんな気がする──
明日から、しばらくは
お料理も!
お片付けも!
薄着の子を追いかけまわすのも!
私たちがやりますって
小さな妹たちはがんばるの。
秋は深まり
もうすぐ冬が来る頃、
星花たちも大きく成長して
凍える季節を迎えるために──
背筋を伸ばし
凛々しい顔で
立ち向かっていくのです。
春風お姉ちゃん、
早くけがを治してね!