吹雪

『ワンツー』
夏休みの宿題は
学年がひとつ進むごとに増えていくもの。
夕凪姉が忙しそうなので
今日の部屋の片付けは
星花姉を手伝う私と二人で行います。
汗をかいて着替えたり
暑くて脱いだり
理由もなくながめたり
辺りに散らかった服を
適切に処理して洗濯に持っていくプロセスを行います。
すなわち
大きめの洗濯籠を用意し
服を拾い集め
隙間を埋めながら洗濯籠にまとめて放り込み
二人で籠を左右から持ち上げて
足元を確認し
洗濯機の近くまで運んでいく。
これを正しく順番どおりに進めます。
あとは春風姉や蛍姉たちが
洗いやすさを見てより分ける作業となるので
私たちの手伝いはここまでです。
星花姉はこのあとも残る場合もあります。
ポケットの中身を確認すること、
一度に干せる洗濯の量を調整すること、
洗剤を専用のスプーンで計量すること、
きれいな服を見て今後の買い物の参考にすること、
などの用事があるそうです。
私は部屋に戻ります。
ほこりや静電気に弱いといっても
無理はしないと自分から申し出れば
洗濯に参加はさせてもらえるはずで
実際、夕凪姉がそうして洗濯機の前から離れない時もあります。
しかし今日のところは
大きくなればひとつひとつ
覚える用事も増えていくのだから
何もお願いはしないで、素直に戻る形になりました。
夏休みの毎日みたいに時間の余裕があれば
モーターの声と共に規則的に回転する渦を眺めていたのだろうか。
でも夏休みのあとには学校が始まり
準備をする頃が近づいているから
すっきり片付いた部屋にいる夕凪姉の横に戻り
テーブルの開いている部分を利用し
出来ればすぐ散らかさないように気をつけて
自分の済ませておいた夏休みの宿題を確認してカバンの前にまとめる、
という形になります。