『祈り』
節分ね。
豆をまいたりいわしを食べたくらいで
厄を祓い福がやって来るとしたら
世の中、こんなに簡単なことはないけれど
かといってつまらないからって
興味ないと切り捨てたら
何かあったときに気持ちがひっかかるかもしれない。
これだから縁起物はずるいのよ。
生きていれば、いいことばっかりあるわけはないから
福が来たのは節分のおかげ──となる場面は少ないのに
トラブルだらけの世界、
困ったことがあれば
だいたい何か悪いことをして罰が当たったせい。
よくそんな話になるんだもの。
これはおそらく、確率の問題ね。
でもまあ、考えてみれば
不運の原因に勝手に関連付けられて
悪者にされる鬼やら何やらも気の毒かもしれない。
たかが豆まきやいわしや巻き物程度の工夫で
邪気がなかったことにできるなら
想定されうる不運と比較して
ずいぶん安上がりで
平穏が得られたと言えるかもしれない。
あんまり子供っぽくて
意味がないのも知っていて
断る口実がないか悩むとしても
じっとがまんして通り過ぎるのを待つのは
たいした労力でもないものね──
逆に、
豆まきやいわしや巻き物や節分ケーキくらい受け入れるようでなくては
何がお姉さんと言えるだろう。
何が来年には五年生になると言えるだろう。
そのくらいの試練──
私にだって乗り越えられるわ!
と思って相談して話を聞いてもらい、なぐさめてもらった氷柱姉さまが
いざ豆まきが始まってみると楽しそうなのは
何か納得がいかない気がするわ。
お祭りは実際に始まってみると意外といいものだと──
世の中にはそう考える人もいるらしいと知った今年の節分でした。
来年からは、相談する相手をもう少し考えたほうがいいのかな?
でも、他に頼りになる人もいないものね──
ともあれ、節分が過ぎれば春は近づくらしい。
福が来るかどうかはこの際さておいて
厳しい寒さが和らぐ季節が早く来るようにと願いを込めるくらいなら──
私だってやってみてもいいけど。