『困難』
世の中にある難しいことの一つは
立夏を冬の寒い朝に
時間通り起こすこと。
実現できたらノーベル賞ものね。
現時点での
有効な手段としては──
朝ごはんのいい匂いで釣る。
楽しそうな声で起こす。
ちなみに、なぜか不思議なことに──
いくら目覚まし時計の音を大きくしたって
寝ている耳元で声を出してみたって
眠っている立夏には通用しない。
全てをシャットアウトする特別な性能が
あの子の睡眠にはあるようなの──
だから、お祭り騒ぎをして興味を引くしかない。
天岩戸は伝説の中だけではなく身近にもあるものなのね。
眠い目をこすって
反応があらわれたら、
そこからがまた大事。
寒い朝も軽くストレッチで体を動かす。
背伸びと
前屈と──
起きたばかりでも無理がない程度の運動。
そう、だいたいラジオ体操。
夏休みじゃなくても
有効な時はある──
そもそも、朝起きた時に眠そうにしているのを
横に並んで体操する場面に誘うって
あの夏休みに立夏が私に教えてくれた通りだものね。
忘れているようなら
今度はこっちが教えてあげないと。
布団の中で
重くてぐにゃぐにゃ、
世界一重い立夏の寝起きの姿。
みっともないとか
お兄ちゃんに笑われるとか言われたって気にしない子には
それ相応のやり方があるということを──
将来のノーベル賞受賞者は知っているはずだわ。
いつかあのお寝坊さんを起こす技術が発見されると信じて──
これからまた寒い日が続くんだって。
朝のお出かけタイムをめぐる
私たちの挑戦は、まだまだこれからだわ。