夕凪

『あらゆる種類のもぞもぞ』
あるいは、
夕凪を動かす
あらゆる種類のむずむず──
お正月の楽しかった時間も通り過ぎて
あとはただ寒いだけの時間がやって来る。
別にイベントいっぱいの年末年始でもないのに
ただ寒いなんて
なんかずるくない?
つり合いが取れていない気がする──
夕凪はあの頃、
楽しい日々に
それはもう楽しまないともったいない、
やり残したことがあったら
きっと後悔する、
そういう性格だって自分でわかってるんだ!
と思って
落ち着かない体中が
ずっとエネルギーの行き場を求めて
もぞもぞしっぱなし。
ひとときも止まっていられなかった
そんな冬休みを過ごしたんだよ。
あのころ、世界一走り回った小学生──
それは夕凪で間違いない。
世界一むずむず落ち着かなかった小学生、
そこまでは夕凪かどうなのかわからない。
終わっちゃったー!
しかたない、
これからも
寒いけどがんばるぞ!
やり残したこと
なかったかな?
考えると、またむずむずしてくる。
でも、過ぎて行った時間だからな。
戻らないあの毎日ばっかりを
ずーっと気にしていたら
これから起こる楽しいことを逃してしまうかもしれない。
わわっ!
そうなったらどうしよう。
夕凪は考えたの。
今の体のむずむずは、
落ち着かない小学生は
どうやらこれから未来に起こる楽しいことを求めているようだ。
新しく始まった年の
まだ見ぬ出会いを求めているようだ──
でなかったら、こんなにそわそわしているわけがない。
お兄ちゃんは、いつか夕凪が落ち着く日が来ると思う?
だとしても、それはだいぶ先のことになりそうだ──