綿雪

『私だけのあなた』
海晴お姉ちゃんのお話だと
明日は雪が降る予報なの。
お天気お姉さんの言うことなら
きっと、そうなんだと思うの。
春を迎える節分の日に
ちょうど冬の名残みたいな
雪が降るとなると──
これは、季節の折り返し地点。
だんだんと暖かくなっていく
節目になるはず──
そうなるといいな。
あのね、もしも雪が降っても
あまり積もらないかもしれないみたいだけど、
それでも──せっかくの
冬だった日の思い出を残す寒い雪だもの。
あの、ユキね──
その日にお兄ちゃんと遊べたらいいな。
今年の冬もみんなと過ごして、
支え合いながら乗り越えて──
そんな大事な季節を忘れないように
真っ白な──きれいな景色と一緒に心に残しておけるなら
そうなったら、とてもいいと思うんです。
本当は──ユキは体が弱いから
寒い日にそう簡単にお庭に遊びに行けないって知ってるの。
本当は──
これからまた寒さが本格的になって
春はまだ遠くて、
ユキがわがままみたいなことを言ったらいけないって
知ってるの。
もっとちゃんと
がまんして──
いい子で元気に過ごしていかなくっちゃ
まだ冬を乗り越えていくのは
そんなに簡単ではないの。
でも──
もしもそうなったらいいなって
思っているのも本当だから
どうしてもそんなことを
伝えてみたくなりました。
お兄ちゃんを困らせてしまって──
ユキがわがままを言う子だとばれてしまう。
体のことより
もっと遊びに行けたらな、と思っていることも
すっかりわかられてしまう──
それでももし、
想像の中だけでも
明日がきれいな雪の日で
これからすぐに春に近づいて──
そんないい日をお兄ちゃんと一緒に
いちばんやりたいことをして過ごしているユキが
夢の中でも──いるのだとしたらいいな。
そんなことを思ってみたいな──
というユキのお話でした。
お兄ちゃん、まだ季節は寒いみたいだから
あたたかくして体に気を付けてね。
これからユキがいい子にして──
やっと迎える春に、お兄ちゃんが風邪をひいていたら
ユキはとても悲しい気持ちになるの。
もう少し──たぶん、あともう少しの間だけの寒くて厳しい冬。
明日は節分なんだって。
この日を過ぎたら──もう暦の上では春なんだって。
お豆で鬼を追い払って、みんな元気に春を迎えるの。
ユキ、みんなの健康をいっぱい願いますね!