春風

ライトスタッフ
いつも明るくて
元気な声が聞こえる
おうちの中──
たとえ願っても
そんなにすぐには
好きな人のところへ嫁いでいく
花嫁さんになるのは
なかなかできないし、
みんなのこころを動かして
おかしをいっぱい集める
かわいいおばけになるのも
そう簡単じゃない──
ハロウィンの楽しいコスプレを作るのも
時間をかけて準備をするのが好きな
蛍ちゃんのお手伝い。
その分、春風は
寒くなってきた毎日に
みんなのために栄養のあるご飯を
たくさん作ってみたり──
一緒に遊んであげて
ハロウィンになってみたいおばけのことを
聞いてみては──
蛍ちゃんと相談したりする
そんなお仕事なら
どうも、あんまりずっこけたりしないで
うまくやっているみたい。
こんなふうに助け合って
これからだんだん厳しくなっていく季節に
向かっていくことができたら
それはとってもいいと思うのに──
なぜだろう?
家事がたまっても
面白がって蛍ちゃんのお部屋で
あんなふうになりたいとか
すぐには無理だなんて
待っていられないと
わがままを言っては笑いあったりしながら
間に合うかどうかわからないハロウィンの仮装を
特別上手でもないお裁縫の腕前で
作ってみようとしている──
うーん、不思議なことです。
吹雪ちゃんや氷柱ちゃんが言うには
どうも人間は難しいとわかっていても
ときどき、越えられそうにない壁に
挑んでいく性質があるように見受けられる。
その理由は不明である──
春風の胸がときめいて
今すぐにでもあなたのものにしてもらいたいと
無茶なことばっかり思うのも
まだ理由がわからない何かが
原因かもしれないです──
今日も、にぎやかなおうちの中。
今日も今すぐに叶えたい夢を見ている春風──
ハロウィンでも、そうすぐには変身させられないこの身を
夢のように変えていくのは
いったい何だろう──と
思いませんか?
フフフ──