吹雪

『ワールド』
私は家族について
まだまだ知らないことが多い。
なぜ、外で遊び始めた子供は
暗くなってもまだもう少しと
お願いをして──
本当に真っ暗で何も見えなくなるまで
帰ろうとしないのか。
玄関までの短い帰り道が危ないから
手をつないであげて、
私も迎えに来てくれた
大人の手に引かれて──
明かりの灯る部屋の中へと戻っていく。
あるいは、雨がぽつぽつ降り出して
落ちる水滴がわかるくらいでも
全身が濡れるくらいまでは
まだ大丈夫だと判断している。
たぶん──
大丈夫ではないです。
そもそも、どうしてそんなに
外で駆けまわって
遊ぶのが好きなのか?
大きな歓声をあげて喜んで、
転んでも気にしないで──
子守りのお手伝いをするときには
危ないことを始めたりしないか
ずっと目が離せない。
たぶん──どうやら、私は小さい子を見守るお手伝いは
向いていないのでしょう。
そう思います。
すぐに帰りたがるし
子供はそんなに私の言うことは
聞いてくれないし──
かえって
一緒に遊んでほしくておねだりをするのだし。
運動が苦手な私では
応えられないのだし──
私たちの街は、今は秋の季節です。
人々が小さな秋を見つけるという──あの秋です。
そこには読書の秋ばかりではなく
芸術の秋も
運動の秋もあるらしい──
私は明日も小さい子の様子を見守って
庭に出ると思います。
繰り返すことで
新しい発見が生まれる場合があるとしたら──
謎を解き明かす手掛かり、
公理のひとつでも見つかるとしたら──
夕暮れに小さい子をうまく家に連れ戻すか
もう充分というまで
一緒に遊んであげる方法が見つかるならば──
それは願望であり
ありえないとは言い切れない可能性であり、
私が迎えた秋のひとつである──
せめて、暑すぎないくらいには良い天気だったらいいですね。