小雨

『小雨の日常』
長かった連休も、
もうずいぶん前のことのように
子供たちも日常に戻っていく──
小雨も子供のころからずっと怖がってばかりの毎日を過ごし
外に出ていくと泣いて帰ってくるような
小さい子だったけど、
どうなるかと思っていたら
最近の連休はそんなに泣かないで
余裕を残して帰ってくることも多くなった──
そんな気がします。
何か大変なことがあってもおうちにはお兄ちゃんがいる。
どんなときも心の支えになる
その事実は確かに変わらないと知っているし──
家に帰ってきたら
妹たちのお世話で用事はいくらでもあって
小雨の小さな力も
頼りにされていることだって、今はすっかりわかっている。
決して派手なことはできなくて
お仕事をじっくりがんばったって
本当に役に立っている時間はわずかだとしても、
すべっても転んでも
小雨が地道に毎日のお手伝いをしていると
見てくれている人がいることを知っている──
そういうわけで、
連休明け、あのにぎやかな
なんでもできた生活が
恋しかった人のためには
特に何も
心を慰めてあげることはできないと
小雨はもう痛いほど気が付いているけれど、
いっぱい楽しいことがあった後に
今は少し落ち着いたような気持ちで
日々を重ねていきたい子や──
学校生活でたくさんのものを
おうちに持ち帰ってはしゃいで、
たまに、わずかに椅子に腰かけて
止まり木に身を預けるように体を休める子の
ほんのひとときや──
それに、いつかの小雨みたいに
外に出て行って学ぶ者の多い日々が怖くて
泣きながら帰ってくることが
小雨ほどじゃなくても、ときどきあるような子が
もしも必要な時に
そばにいてあげられるように──
できることがあんまりない小雨は
連休が終わったあとを
みんなと一緒に過ごしています。
そこにいるのは
確かに、何にもできない小雨なのに
なぜだろう──変ですね。
今日は、たまにしか泣いたりしていません。
何も特別なことがあったわけではない
普通の日なのに──
そういうふうに過ごしています。