立夏

『春の立夏は』
あの寒い冬の間も
どんな時も笑顔を忘れず
楽しいことがありそうなところへは飛んでいき
いつも調子に乗っていた
まぶしい太陽ガール
立夏は──
今、いったいどうしているだろう?
春──
見渡す景色のどこからもエネルギーがあふれ、
ふくらむつぼみときらめく光、
空っ風が強く吹き付けるときはあっても
耐え抜いて乗り越えていこうとする確かな力が
誰でもある──
その先にもう見えている
のどかな季節を信じて!
その時、立夏
冬の頃に寒くて出られなかった布団を
ぱっとはねのけて伸びあがり、
面白いものを探して
あっちへうろうろ
こっちをきょろきょろ──
何を見つけたの?
立夏
もうすぐ迎える行楽シーズンに向けて
張り切っているキッチンの子たちと
お手伝いをしながら
学んでいるつぼみたち?
冬物を片付け始めて
みんなの力仕事を引き受けて回る
あのたくましいエネルギーのかたまりたち?
これから長い時間をかけて
育っていく花をやさしく見守る
かけがえのないあのまなざし?
どれもが春を告げて──
立夏を誘っている。
ほら、もうすぐ
こんなに楽しそうな景色の中に入っていける季節が
足音を立ててやってくるというよ──
わくわくするでしょう?
立夏は、どこにでも顔を突っ込んで
教えてもらったり
失敗をしたりしながら
やがて、お兄ちゃんのところへ
ゆかいなお話を持って帰るよ──
遊びすぎてへとへとになった夕方くらいに!
いろんなことを──聞いてもらいたい季節なの。
立夏と一緒にこれから過ごす春は
きっと大変で──いろんなことがあるよ。
だから、待っててね。