小雨

『それからどうなった』
ひな祭りが
終わったので──
お雛様は片付き、
かわいいお着物も着替えて
いつもの日々が戻ってきます。
新しいことを始めるのに
ちょうどいい季節だと
この機会にお裁縫やお料理に興味を持った
子供たちは──
今ごろ、どうしているでしょうか?
もう、飽きてしまったかな?
それとも──
もしかしたら。
この時期は、毎年
何かを始めて
まもなくあきらめる子が
たくさんいます。
でも──それでも
始めることをやめないで
毎年挑戦しているのだから──
いつか、たくさんの子たちが
続けられそうな好きなことを見つけて
豊かにふくらんでいく
楽しい毎日を過ごせるように
なっていくのでは──
そういう希望は
なくならないのだと思います。
小雨が花壇でお花のお世話をしていると、
聞こえてくるあのにぎやかな声は
きっとまた──
何かに挑戦している子たちの
明るい喜びが詰まっているから
とても楽しそうで
魅力的で──
ちょっとうらやましく感じるのです。
お部屋に戻ったら、まだお料理を続けている子の
お菓子が食べられるのかもしれないし、
寒い冬のために一生懸命がんばっていた編み物が
まだ朝晩の寒い時期に
みんなを温めてくれるところを見れるのかもしれない。
そしてたぶん、もっといろんなことがたくさん始まろうとしているの。
小雨は──
去年、うまくいったお花を選んで育てています。
もっと新しいことを試してみたらよかったかしら?
とりあえず、今は小雨ができることをせいいっぱいに。
お兄ちゃんもよかったら、きれいなお花が咲くように
これから芽を出す小さな子たちを応援してあげてくださいね。
小雨も、この子たちのお手伝いをします──