『新しい日』
今日も良く晴れて
暖かくて──
よかったですね。
こういう日は、
学校でお勉強ばかりじゃなくて
何をするにもいい一日。
放課後は早めに下校して
お買い物に時間をかけたり──
寄り道しないで、掃除や洗濯を済ませたり、
もしも学校がなければ
布団を干したりもできたり
少し遠くのお店へ
足を伸ばしたりもできるんだけど──
さすがに、学校を抜けだしたりすると
大人として、小さい妹たちに
しめしがつかないですから。
そこはがまんします。
でも──もしも、蛍が一番下の子で
誰にも気を使わない自由な身だったとしたら
学校を飛び出してやりたいことをしていたのでしょうか?
なんだか、まったく
想像ができないですね。
かわいいみんながいない蛍の生活なんて──
でも、夕凪ちゃんも昨日は
お兄ちゃんにお話を聞いてもらえてうれしい、
お兄ちゃんがいない生活なんて想像もできないって
言ってたから──
不思議ですね、お兄ちゃんがいない日のほうが長くて
大事な人が後からやって来るなんて考えもしなかったのに、
もうすっかり──お兄ちゃんがいなくちゃいけないんだもの。
想像もできない生活だって
慣れていくものですね。
蛍は──小さな妹がいなかった自分より
お世話をする人が増えていく生活のほうが
想像して楽しいような気がします。
だから──早く帰ってお布団を干すのはがまん。
それは休日のお楽しみですね。
晴れるといいな──
今日は、暖かくてお買い物がはかどり
少し多めのおやつを作りおきする余裕もあり──
蛍が元気なうちは
おうちの誰にも不自由な思いはさせません。
なんてね。
お兄ちゃんも、たくさん食べて行ってね。
お世話をする人が増えてうれしいです──
今年も、これからもいろんな出来事があって
にぎやかだといいですね。