麗

『おめでとうございます』
はい、あけましておめでとう。
新年早々から家族で運動ブームが盛り上がり
いらない苦労を背負いこんだ小雨ちゃんは、
どうにかこうにかみんなで書道の時間を作って
今年の抱負も決まったそうよ。
体を鍛えてついていけるようにするか──
せめて元気な子供たちのお世話をできるくらいに
ムキムキになるか考えたみたいだけど、
結局はシンプルに
健康第一！　だって。
まあ、それが一番大切だものね。
困ったことがあって
小雨ちゃん一人で解決できなくたって──
誰かがそばにいれば
助け合えることもあるだろうし。
私だって
できることはしてあげたいもの。
少しくらい、ちゃんと励ましたり助けたり──できたのかな？
といったわけで、もう三が日も終わり。
早いものね。
お正月気分も一息ついて──というには
なんだか最初からお正月らしくもなかったけど、
でも、家族みんなでいられたのは
よかったじゃないって
海晴姉さまも言うから、
まあそうかなって思うことにする。
あなたもちゃんと新年の目標くらい決めたの？
それって大事なことよ。
せっかくの
新しい始まりなんだから──
こんなときくらい、未来に希望を持ってもいいんじゃないかしら。
またすぐに何かとにぎやかに、ばたばたあわただしくなって
それどころじゃなくなるんだものね！
もう、そのくらいは知ってるわ。
私の今年の抱負は──
いちいち
細かいことを気にして
口うるさくなったりばかりはしない。
あ、ええと──
さっきのは
なんでもないのよ。
今年もにぎやかになるといいわね！
まあ、ほどほどにね。
それじゃ、今年もまたよろしく。
ああ、年始から気を張ってなんだか疲れたわ──