海晴

『一年の終わり』
今年も、大変なことがたくさんあったけど
家族でも助け合いながら
どうにか今日までやって来た──
一年間、お疲れさまでした。
霙ちゃんがついにやる気を出してくれたおかげで
年末の仕事はひととおり終わったみたいね。
活躍したのは、口の回ることでは
みんなの信頼を集めた氷柱ちゃんの力と──
春風ちゃんが差し入れした
おいしいおしるこ。
そしてきょうだいみんなが
力を合わせてがんばる姿が
一番だったに違いない!
まあ、普通に頼めば
人が本当に困っているときには断れないのも
霙ちゃんの性格ではあるんだけど──
そこは人にはわかりにくい部分だと思うし、
それに霙ちゃんだって
素直に手伝うより
遊んでもらいながら──
わがままを言ってみたくなることも多いみたい。
ああ見えて甘えんぼうだものね。
しっかりしているように見えて
放っておけない──
そんな妹がいたら
影にひなたに
お姉ちゃんは手を出したくなるんだと思うわ。
おしるこの差し入れは
はたして本当に春風ちゃんのアイデアなのか──?
キッチンに暗示のように置いてあった
缶のおしるこはいったい?
あ、氷柱ちゃんのほうは完全に私の知らないところから
出てきたのよ。
何があってあんな話に──?
年末の忙しさは複雑怪奇ね。
そして、大変だった日々もそろそろおしまい。
明日からは──お正月の遊びをしながら
ひといきついて過ごせるといいわね。
年が変わる前に
起きている子たちは
もう、ずいぶん落ち着いた雰囲気に
なっている気もするけど──
テレビを見たり
おそばを食べたり
ゲームでゆったりしたり
おしるこのおかわりをしたり──
こんなのどかな終わり方ができるなら
まあまあ、私たちには悪くない一年だったかもしれないね。
今年の目標を
いくつか、来年に持ち越したりもしながら──
そろそろ年が変わるわ。
新年のあいさつは──ちゃんとできるかな。
ちょっと緊張してきたわね!