夕凪

『ティンクルスター』
澄み切った星空に
今夜はひときわ輝く
ベツレヘムの星の瞬き──
クリスマスの夜がやってきた。
遠いサンタさんの国へ手紙を書いた
子供たちは──
一年、きっといい子で過ごせたと
わくわくして布団に入る気持ちと──
本当に
サンタさんも認める
いい子だったかな?
少しだけ不安に思う気持ちとで──
ふらふら揺れながら
眠りにつく。
吹雪ちゃんに話したら
どのくらいの割合が自信で
どのくらいが自身のなさだろうかと
聞かれたけれど、
それは計算する方法があるのかな──?
だいたい、わかりやすく
二つ合わせてぴったり100パーセントになることも
なさそうで、
明日のクリスマス会の出し物だとか
やっと冬休みが来て
お正月もお兄ちゃんと遊ぶんだとか
そういう不純物も
ずいぶん混じってる
クリスマスの夜、布団の中の子供の気持ち。
冬の夜に
星がきれいに見えるのは──
空気が冷たいと水分を含む量が減って
水分に含まれるほこりだとかも少なくなるから
なのだそうだけど──
そう考えると、クリスマスだというのに
考えることがあれこれ寄り道ばかりの夕凪は
あまりにも不純なのか?
それとも、暖かいおうちの中で
風邪をひかないように
過ごしているのが原因なのか?
誰も答えは知らない。
聖夜になってまで
布団に入って思考がまたぐるぐるまわる夕凪。
せめてこの夜、何かの奇跡が起こって
ものすごい立派なことをひらめいたら
それらしいのに!
でも、奇跡で何かいいことがあるなら
今夜より──
クリスマス会の出し物が思ったよりもうまくいって
みんなが喜んでくれるほうがいいな。
なんか、すごいことが起こって当然で話が進んでいるけど──
というか、クリスマスプレゼントのドキドキが
ずれていってるような気がしているけれど。
澄み切った空気の冬の日、
子供はいろんなことを考えて──
そして、明日の朝を迎えるの。
ああ──その時、夕凪は
どんな気持ちで朝の日差しを駆け回るのだろう!