海晴

『さわがしさどまんなか』
麗ちゃんは特別に
みんなの真ん中にいるほうではないし、
まあ、細かい注文が多くて
存在感があるのは確かだけど、
だからといって風邪から治って
帰ってきただけで、
こんなに大さわぎで
歓迎してもらえるだなんて
ちょっとうらやましい!
みんながあんまり騒げる
大きな理由も最近なくて、
ついついかこつけたようなところは
ないとはいえないけど、
でも、こんなに愛されているみたいで
お姉ちゃんはうれしい──
喜んだ子供たちがうるさすぎるのと、
私が個人的に大歓迎をして
かまってあげるチャンスがあまりないのは
残念だけど──
こっそり近づいて抱きしめてしまっても、
嫌がっていても
そっと頭を撫でてあげれば
わかってくれる子だから──
それでお姉ちゃんは我慢することにするわ。
それにしても、だんだん寒くなって
みんなの健康が気になる季節になってきたわね。
暖かい日もそう長くは続かない予報だし──
みんな、ちゃんと冬の着替えをそろえて
厳しい寒さを迎える準備はできているのかしら?
かといって──
もし、備えが足りなかったときに
服を貸してあげても大きさが合わないこともあるだろうし。
できることは、せいぜい
もう小さくなったお古を分けてあげることだけ。
あとは──なるべく見ている時間を増やしたいというだけ。
何かいい口実はないかしら?
ちょっとくらいおせっかいをして
近くにいても怒られないような口実が──
もう少ししたら──年の瀬のイベントがたくさんあるのだから
それまで持して待つのが
年長の役目かしら──
いつもうるさくなくていいように、そうやって──
ああ、でも
どうせやっかいな口出しをするんだから
気にせずじゃんじゃんかまいまくるのも
必要かもしれないわ。
あんなふうに、家族が元気だからというだけで
いっぱいの大きな声で喜べる子たちに負けないくらいに──
どうなんだろう、私にも──できるようになるのかな?