亞里亞BDSS

『ヴァンパイアプラスワン~ついに現行のゲーム機でヴァンパイアシリーズが遊べるようになったうれしさと、あとなんか深夜プラスワンって小説のタイトルめっちゃかっこいいよねだからなんにでもプラスワンをつけたくなる癖の巻~』
「お兄ちゃん、大変! 可憐の学校のトイレに花子さんが住み着いたせいで、街中の女の子が妖怪に変わってしまったの!」
 なるほど、今の時点で千影が魔王に変わってしまってラスボスになる展開まではわかった。あと。学校であった怖い話が今年になって現代風リメイクみたいな追加要素ありみたいな形で出てうれしいのが伝わるよ。シスプリもできれば……どうか……遊べるだけでうれしいのでどうか……ゲームの移植がそう簡単でないのはよく聞きますから無理は言えませんが……
「でもしょうがないな、じゃあ花子さんの退治に行こう」
「えっいいの、お兄ちゃん」
 しまった早まったかな。でもギャグSSだし命の危険もそうないだろう。
亞里亞も行きます」
 亞里亞はこのあいだのハロウィンで吸血鬼に仮装したのがうれしかったらしくて、それからずっとかわいい衣装で過ごして、僕の後をついてきている。吸血鬼と言えば世界の妖怪のカリスマみたいなもので、いってみれば女王様みたいなものだ。亞里亞に似合わないはずがない。かわいい。
「じゃあ、可憐が案内するね。花穂ちゃんもくねくねになってしまって、このあたりを通る人をほっこりさせているの」
 やっぱり踊るのがあんまり上手じゃなくて本来のくねくねの仕事に失敗しているとかそういうのだろうか。いくらなんでもそれはベタすぎるだろうか。
「うえーん、お兄ちゃま! 花穂踊るのがあんまり上手じゃなくてくねくねの仕事に失敗しちゃうよー」
 まあいいか。
「でも、負けないで練習するんだあ。花穂にはそれだけしかできないから……がんばるね! くねくねくねくねお兄ちゃま!」
 がんばってね! いや、これはがんばったらいけないのか? あと花穂の横で楽しそうに真似をする亞里亞は放っておいていいのか? さすがに可憐はしっかりしていて、真似をして踊ったりはしない。お姉さんだね! 可憐がお姉さんをしているとピュア・ストーリーズとかで二人で並んでいた絵とかを思い出していいね。一年ぶりにシスプリを語りだすと、なかなか簡単には止まらないね……
「まあ、とにかく早く怖い花子さんをやっつけて平和を取り戻そう! 花穂のがんばりを無駄にしないために(?)」
「じゃーん! あにぃ! ボクはかっこいいのも好きだから、かっこいい吸血鬼になったよ!」
 わりと自分で選べるんだ!? 亞里亞と吸血鬼がかぶってしまったね……
「わあー、亞里亞ちゃんおそろいだね!」
 いいんだ。亞里亞もうれしそうだからいいか。
「お兄様、見て! 世界の妖怪といえば、セクシーさも魅力の吸血鬼よ」
 あ、あっ。まあ、おそろいということで。
咲耶ちゃんもかわいいね! でも吸血鬼といえば、かっこいいと思うけどな」
「うーん、私はセクシーだと思うわ。困ったわね……そうだ、妹が困った時にはいつもお兄様が助けてくれるものよ。お兄様の意見を聞きましょう!」
 まさか吸血鬼のセクシーさを語ることで、兄の威厳を示す日がやってこようとは。
「みんな似合ってるよ! 僕の自慢の妹だよ!」
 ということでまとめておく。
「やったわね、衛ちゃん、亞里亞ちゃん! それで、お兄様は誰が一番かわいいと思うの?」
 えっ。
「それはともかく、衛たちも楽しんでいるしなんだか元に戻すのがもったいない気がしてきたぞ……このまま世界の妖怪をテーマにもう三つ四つくらいSSを書く余裕があればいいのに」
「惑わされないでお兄ちゃん! こんなふうに世界を混乱させるのはいけないことだと思うの!」
 それを言ったらこのサイトのSSが全部……あまり考えないようにしよう。
「おにいたま、ヒナは座敷童子になったよー」
「わあーかわいいね。世界中が幸せになれそうだね。というかもうなったね。もしかして本当に花子さんを倒す必要ないのでは?」
 亞里亞も隣に並んで幸せが二倍だ。見守る可憐の顔も優しい。
 今回のSSはわりと妹の扱い自体は、定番な感じだぞ(他の部分は置いといて)。このまま最後までのんびりまったりツッコミも控えめに行けたらいいな。鞠絵はミカエルと並んで狼男とかかな。病弱が行き過ぎて日本の幽霊みたいになってしまったらちょっとシャレにならないな……
「兄上様、私は願いが叶うならこんなふうに元気な体になりたくて……骨と筋肉を継ぎ合わせて巨体になったフランケンシュタインの怪物です! 力持ちで元気いっぱいです」
 そっちかー。鞠絵は病気になる前の幼少時代はおてんばだったエピソードもあるので、何事もなく元気に育っていたらもりもり食べてこんなに大きく育っていたかもしれないと思うと切ないかもしれないし面白いかもしれない。でかい!
「そして兄君さま、ワタクシも姿が変わってしまいましたわ。日本風のおばけで、柳の下から現れる幽霊です! 少しはおしとやかで落ち着きのある美人に見えるでしょうか?」
 春歌だったかー。日本風のおしとやかさはあまりうらめしがって化けて出る状態を指すことは少ないかもしれないね。それは日本風というか世界のどこでもだな。
 しかし勘違いしているとはいえ、春歌があこがれの和の美しさを楽しんでいるので問題を指摘にしにくい……亞里亞鞠絵の筋肉のほうに興味があるみたいだ。まだ子供だからだろうね! うちのサイトの亞里亞がときどき無茶をすることとは、あまり関係ないといいね! 今回くらいはきっとかわいいまま最後まで行けるはずだ……いやどうかな……もともと、知らないところへ電話をかけて兄やを出してくださいっていうあたりで無茶してる子だからな……
 それにしても一瞬、鞠絵と春歌の妖怪化は入れ替わってないかと思ってみたけど、春歌ってそんなにパワーなイメージあったっけってちょっと思い直した。確か、ゲームの方で街行く人をぶった切りしていたくらいだよね……いやなんか記憶がおかしいな……そんなシーンではなかったような? さすがに昔すぎて忘れている部分も多いね(というレベルでもない気もするが)。きっと春歌がそんな無茶していたなんて記憶違いだよ! もう一回ゲームでもやり直せば元のイメージに戻るはずだよ!
 そう考えると、なんかあれもこれも記憶違いかもしれない気がしてきたな……いろいろカオスすぎるもんな……鞠絵が子供の頃に誰より元気だった気がするのはどこまで本当だったっけ? 亞里亞の家の庭に小石の代わりにダイヤが敷き詰められている話って実際あったっけ? もしかして12人のかわいい妹がいるのも何かの勘違いだったりして? きっと電撃G’sマガジンが休刊する話も勘違いかもしれないぞ。確かめるために早くゲームの移植などをしてくれたらいいよね……
 そして、ここで順番を前倒しして春歌が出てきたということは、白雪と鈴凛と千影がやっぱりいつも通りラスボスクラスのポジションを獲得している可能性が高いな……四葉はオチ担当を任されていそうだな……うちがギャグSSばかりだったためにこんなふうになってしまって四人には申し訳ない……もっと亞里亞がほのぼの喜んでくれそうなお姫様のお話とか書けたらよかったのにね。可憐の街のお城とかに住んでいるお姫様の影響でみんながお姫様に変わっていくという……やっぱりなんかおかしいな。
「にいさまー!」
 来たぞ!
「にいさまー! かわいい姫といられてラッキーでしょう? ですの!」
 なんか最近シスプリとはあまり関係ないところで聞いた流行りもののような気配がするぞ。
「いつでもにいさま好みのかわいい姿に変身できるよう、自分の体をお料理してスライム状にしたんですの。姫はどんな形状になってもかわいいですの」
 やっぱり流行っているやつだぞ!
「ホウ砂水と洗濯のりをまぜて…、にいさまが食べたくなっちゃうクリームソーダ食品サンプルの姫ですの」
食品サンプルなら食べられないのでは。いや普通に食べても全部スライムじゃねーかってなるのでは」
 そして健全なのか不健全の匂わせなのかよくわからないがたぶん元ネタに従ってお子様にもお勧めできる内容にぎりぎり収まっていると……無理があるかな。
 しかしこんなに流行りに乗っかっていくとは、このままでは今回は、ケモ夫人とか制服強強剣とか出てきそうな気がしてきたぞ。
「って、白雪は別に花子さんに変化させられたわけではなくて、自分でスライムになったんかい」
「お料理が得意な女の子ならこのくらい! ですの」
「そうかなあ」
 白雪が言うならきっとそうなんだろう(考えるのをやめた)。そして亞里亞あんまりべたべたするから……後で手を洗おうね。
 ああ、考えてみれば、白雪のように自分の意志で花子さんからの妖怪化に抵抗することもできるのか(結局妖怪にはなっているのは置いといて)! これは鈴凛にも期待ができるぞ。何かいろいろおかしくならないで済むかもしれない!
「アニキ、話は聞いたよ! ほら見て、私の作ったゴーストバスターメカ鈴凛チーム! 量産したメカ鈴凛全員に科学的なゴースト退治の装備を持たせたよ」
「なるほど、やったな鈴凛! これ事件が解決した後のオチでその後、この街では、同じ顔をしたたくさんの女の子のうわさがささやかれるのであったってなるやつだな!」
「えへへ、それほどでも」
「ほめたのかな……? まあオチを用意してくれたのは助かるか」
 そうこうしているうちに花子さんがいるというトイレに近づいてきた。やはり千影が残ったか……あと四葉はもうオチが決まっちゃったけど大丈夫なのかまだ出てこなくて。
「お兄ちゃん……ついにここまで来てしまいましたね」
「そうだな、ついに来て……しまったって?」
「そう、もうわかっていると思うけど、実は可憐が花子さんに変身してしまったのが事件のはじまりだったんです!」
「えっそうなの?」
「いつもみたいに無茶ばっかりはしていなくて落ち着いていたから……気が付いていたんでしょうね」
「可憐はそんなに普段から無茶するほうだっけ……するほうだな……」
 これは早くゲームも出してもらってやり直さないと。
「花子さんのこの世に残した願い……お兄ちゃんといつまでも一緒にいたい気持ちに引きずられてしまったの」
「ちょっと花子さんちょっと……というかそれ本当に花子さん?」
 そこに、トイレに入ってきた影は
「……フフ……やはりそうだったか……さあ可憐ちゃん、遊びは終わりだ……」
 魔王に変化した千影の姿だった。いつも通りに見えるが。
「まだ魔王とかは言ってない……」
「えっ違うの」
「まあ魔王だ……まあいい。私の魔法で全てを解決しよう」
 と、可憐によくわからないビームとかを浴びせてめでたく正気に戻し、事件は解決したのだった。
「いやあ千影、助かった。魔王ってあんなこともできるんだね。浄化の光線か何かなの? なんで目をそらすの? えっ可憐に何したの? 普通に見えるけどあれ元に戻ったの? 本当に事件は解決したの? えっ毎年こんな終わり方してるね? ちょっと千影?」
 めでたしめでたし。
 あと亞里亞は真似しても光線は出ないよ。まあ真似をする姿がかわいいのでいいけど。あれっ今何かちょっと出なかった? それはまあ亞里亞も千影の妹だよね……あ、そこで可憐も真似するの? きっと花子さんから解き放たれてのびのびした気持ちに戻ったのだろう、そうことにしておきたい。そして可憐も千影の妹なので、ええと、お手柔らかにね!
 そろそろ今年のBDSSも終わりそうだ。いつかは、あんまりツッコミで疲れず、亞里亞たちがちゃんとかわいいSSを書きたいものだ。
 と思っていたら、ん? なんか花子さんという名の可憐が、ここまで連れてきてくれたトイレの奥から……変な声がするような?
「またおいでなさい! いや……あなたは必ずギャグSS(ここ)に帰っていらっしゃる! お待ちしています!! 何年でも! 何十年でも……!!」
 唐突なヒストリエネタかよ。最近読んでハマったとかなのかよ。別に最近とか流行りとか関係なく、好きなものだけ盛り込んだだけだったんだな。ということはケモ夫人や制服強強剣も出てきそうだな。ボブネミミッミやラブライブも出てくるだろう。
「兄チャマー! かわいい猫娘の格好をした……スライムの四葉を見てかわいがるといいデス!」
「スライムはもう見た」
 ボブネミミッミがさっそく出てきた。まあ、かわいい分にはどれだけ見ても別に困らないかもしれない。
 ついでに咲耶四葉を見つけて、キミは原石だとかやはり私が見込んだ通りとか言う。YouTubeのボブネミミッミ期間限定公開動画で本編の声優さんが担当しているみたいなことを言う。
 でもかわいさの優勝は、妹たちみんなだからね。なんの? とかはないかもしれないね。うちのサイトではそうなるかもしれない。
「やったわね、四葉ちゃん! それでお兄様は誰が一番かわいいと思うの?」
 えっ。
 あと事件の後この街では、同じ顔をしたたくさんの女の子がスクールアイドルを目指して、いやまあいいや。