海晴

『タイムイズマネー』
ハロウィンが近い!
そのためなのか──
あるいは、もともと
おいしいものが多い季節だから
そうなるのか。
家の中はいつでもいい匂いがして
おなかはすくし、
ごはんまで
何か適当につまみながら
わくわくするし──
もともとハロウィンも
仮装のお祭りじゃなくて
収穫祭の目的もルーツの一つだって言うわね。
そっか──うかれるのも理由があるわけだ。
こんなにお料理やお菓子作りで
かわいい妹が盛り上がっているのを見ると、
いいなあ──
私にもあんな頃があったな──
というか、
今でもまだあんなふうで
いい年頃ではないかしら?
と、思ったりもして。
たまに
みんなの見ていない隙を狙って
自分でも久しぶりに
クッキーでも焼いてみたくなったりして──
今からだって
趣味を増やすのはいいことだと思うし。
ここ数日、
まわりの雰囲気にその気になって
たまに春風ちゃんたちのお料理の隅っこに
混ぜてもらっていたのは
誰か、気が付いていたかしら──
やってみたいとは言ったものの、
掃除に片付け、
先に済ませておきたい用事が
大人にはいくつかあるし──
そっちに体力を使って
いざ時間ができた時には休憩時間になっている場合が多いし。
もしかして、この年になってから
趣味を増やすのは無謀だっただろうか!?
忙しい毎日の合間に
挑戦することだけでも難しい──
ううん!
大人になったら疲れてばっかりだなんて、
こんな姿を大事な家族たちに見せるわけにはいかない──
年下たちには、いつでも
追いかけたいと思えるような背中を見せていたい。
でも──
いや、しかし──
とりあえずは、自分の実力に合わせて
みんなと楽しくクッキーの型抜きからはじめるところから。
そこから、順番に──
時間がないって
焦ってるお姉ちゃんに、
ハロウィンのお祭りの日が近づく。
間に合わない気はするね!?
でも、できることだけはやってみようかな──