『季節の変わり目』
ああ、いそがしいいそがしい。
ぱたぱた──
ユキちゃんがまた
お外で遊びたいというので──
もう思う存分
時間を使えるように、
庭にテーブルを出して
おやつを運んで──
日が暮れるまで
お外にいられるようにしたんです。
体が丈夫じゃないから
椅子で休む時間のほうが
長いかもしれないけど、
でも、気持ちとしても
こうすれば安心できるかなと思ったの。
あわてておやつを食べて
また出ていく早食いは──
ホタが見つけたら
そんなのだめだって
あわわあわわってなるでしょう?
体にも悪いし──
最近、暖かい時間はお外にいたい
ユキちゃんまでが
よくかまないで
急いでおやつを食べるようになってしまったら
大変だものね。
ただ、ホタひとりでは
重たいテーブルと椅子を
思いついてすぐ準備するなんて
できないから──
ヒカルちゃんと春風ちゃんにも手伝ってもらって、
そうしたら興味を持った
小さい子たちが
庭のあっちこっちから駆けてきて、
協力をして小さいほうの椅子を運んでくれたり、
おやつも飲み物も
届けてくれたりして──
みんなにたっぷり遊んでほしくて考えたのに、
いっぱい手伝ってもらったのは私のほう。
これでいいのかな?
ああ──いけない。
どれだけ手を貸してもらっても
まだまだ育ち盛りの子供たちには
おやつも飲み物も足りない。
ぼうっとしてる暇はなかったのでした。
これからだんだん、
秋も深まって
寒くなっていくそうです。
そうしたら蛍は
何ができるかな──
いっつもどたばたして
みんなに助けてもらってばかりだというのに。
ひと段落ついたらかけっこで遊ぶ約束をしています。
ホタ、そんなに元気が残っているかしら──
まあいいか!
よく晴れた日は──夢中になって
おしごと、おしごとです。