『すべての』
最近の非常食はあなどれない。
携帯性はもちろん
食べやすさ──
何よりもその味で
私たちを満足させる。
非常食が必要になる
心細い状況で、
食事に喜びを得るということが
どれだけ支えになるか、
想像できる。
もう普段から
食べていてもいいのではと
思うような──
入れ替えのために
食べていると、
様々な面で
学ぶことは多い──
災害に向き合う心構え、
備えをしておくことの重要性、
そして──
いつ何が起こるかわからない
日常を過ごし、
その大切さを思うこと──
準備をしておく──それは
本当に大事な経験だ。
私たちの街で台風の影響が大きくなるのは
今夜から明日の午前中にかけての時間になる予報。
だいぶ遠くを進むコースだが、
だんだん風も強くなって
雨の音も聞こえてきた。
次第に──ゆっくりと──といった感じだ。
たまに風が収まる時間もあるようだし、
このまま何事もなく過ぎてくれればいいんだが。
気になる非常食の話だが、
近いうちに入れ替えの予定もあるから
台風が過ぎ去った後、好きなのを選んで食べていいそうだ。
まだ油断をするには早いけれど──
怖い夜をいい子で乗り越えた後の
ごほうびがやがてあるかもしれないと
考えるのも、気力が湧くだろう?
喜びを思い
人は夜を過ごし──
今は雲が覆うあの漆黒に
星が瞬く時を待つ。
必ずその時が来るのだと信じる──
それは、はたして
私一人で叶うことなのかどうか?
ここにいてくれる人の支えとあらゆる姿が
実現させているのではないか──
答えを知るすべは、私にはない。