さくら

『ねんしょう』
おさらをはこべ!
ちっちゃいさくら!
さくらはねんしょうさん。
せたけも
てのひらも
いぶくろも
なにもかもちいさい。
このこは──
ちびすけかな?
さくらかな?
どっちだろうな?
──くすん。
さくら、ぶきっちょなの。
おさらをはこぶ
おてつだいをしたかったのに
おさらをおとす。
がんばって
いいところをみせたくて
なんまいもかさねたのが
いけなかったの──
うえのほうの
おさらがすべり
あわてて
したのほうのおさらもすべり──
う、
うわーん!
おさらがさくらに
いじわるをする……
でもね!
そしたら
かさねないではこべば
おとさないかもって
はるかおねえちゃんはいうの。
きたえてちからをつければ
ぶきっちょも
きにならないかもって
ヒカルおねえちゃんはいうの。
さくら、
おさらをはこんでいいの──?
よーし!
きたえるぞ!
あまりかさねないぞ!
ないてばっかりの
はずかしいちびっこでは
もうないぞ!
──たぶん。
みぞれおねえちゃんが
そんなさくらをみていうには
やぼうと
きたいに
あつくもえるそのすがたも
ねんしょうと──
いうんだって。
もえることを
そういうんだって。
だじゃれなんだって。
だじゃれかあ……
ねんしょうさんのさくらが
やぼうをいだく。
いつか──
おさらをうまくはこんで
みんなのおやくにたてるかな?
がんばってね、
さくら。
きょうは
うでたてふせだ!
ねんしょうさんの──さくら!