『ぼーっとして』
最近みんなに
心配をかけているみたい──
ごめんなさい。
蛍はときどき、
思い込みが激しいし──
夢中になったら
他には何も目に入らない!
ということもたまにあるんです。
こまった蛍だ。
ヒカルちゃんの話を聞いて、
そんなことできるわけないよねって
冗談で終わる話だったんだけど──
そう、例の
お兄ちゃんとヒカルちゃん
入れ替わり大作戦のこと。
私もお兄ちゃんのことを
なんでもすべて知っているというわけでは
全然ないですが
やっぱり、ヒカルちゃんの望みを
何でも叶えるほどには
いろいろと忙しいこともあって
なかなか大変。
では──
もう一人くらい
入れ替わりに参加したらどうだろう?
この家で、背格好がそこそこ近くて
年も近くて
学校のスケジュールも融通が利いて
なにより──
自分でコスプレをするのも得意で
お兄ちゃんの真似をするのも得意なくらい
けっこういつも
見ている──
それは誰だろうと考えたら
あっ!
ありなのか──?
いやいや──?
でも、あるいは──?
はっ、いけない。
また変な想像をして
自分の中に入っていました。
もし、やるとしても
いきなり他の知らない人の前に出るよりは
慣れた人の前で少し練習して
自信がついてから──
もし、ばれないとしたら──
いやいや。
いつも変なことを考えて
よく迷惑をかけている気がするけれど、
気を付けていれば、そんなくせもなおっていくのでしょうか?
それとも──
そんなに興味があるなら
ついに、思い切って──
なんてことになってしまったら!
大変!
わくわくしますね!
ちがった、だめだめ蛍!
大丈夫──心配いらないです、お兄ちゃん。
たぶん。