『大仕事』
ああ疲れた。
大家族の買い出しというのはいつも大変だ。
連休ともなればなおさらだろう。
それに加えて、今回はさらに
がんばった翌日だというのに
連休の合間に学校へ行く用事が入るのだから
毎日とてもがんばっているな。
本当にえらい!
ああ、もちろんがんばった小雨と夕凪たちのことだ。
それに家の中の仕事も多いし
みんなが家族を支えている一番のがんばり屋だと言っていいだろう。
どんなお手伝いをする子も胸を張っていいのだ。
本当にえらい!
ああ、もちろんみんなのことだ。
オマエも連休中にみんなをよく守ってくれているな。
それにしても、この時期何かと気を使うことも多い買い出しだったけれど、
誰かがやると決まっていることだからな。
こんなに喜んでもらえるのであれば
やりがいがあるし──
またみんなが困っているときに
やってもいいかもしれないな!
小雨と夕凪なら
体力的にもちょうど休憩のペースも合うし
大変なところもあるが、なんとかなるくらいだったな。
ううん──だけど
みんなの役に立つからまた行きたいと言い出すと
家の中の仕事を任されることも多いからな。
いつも様子を見に来るから
適度に休憩しにくいし──
でも、コロナがはやって買い出しに行く機会が減ったのは確かだけど
気を使うにしても
こんなに大変だったかな?
まあ大変だったんだけど──あまりにも昔のことのようで
すっかり忘れている。
人間の記憶は、時間が経つと
苦労したことは忘れていい思い出が残るというけれど
宇宙の歴史から見ればちっぽけな私程度では
そんな実感があるほど長生きしていないはずなんだ。
本当に昔も大変だったのか?
これは──謎を解くためにも
また買い出しの時は立候補してみないといけないな。
それに、あんまり人のいない休憩場所ならいくつも候補を知っているし
一緒に行く仲間にも役に立てると思う。
だから今日は疲れを残さないように休むことを重視しよう。
連休の合間にもちゃんと学校に行って
無事に帰ってきてえらい!
みんなのことだ。
でも、私のことをほめてもいいんだぞ。
オマエもそうしたい時だってあるだろう。