綿雪

『未来』
暖かい日は
それぞれが──
思い思いの楽しみを見つけて
過ごします。
今日は、お姉ちゃんたちが
学校に行って学んだ
一年分の教科書を眺めては
片付けたり──
復習に使ったりしていた日。
ユキはおやつを
運ぶお手伝いをしたり──
ときどき教科書を見せてもらって
お姉さんたちの学年で学ぶことを
教えてもらったりしたの。
まだまだぜんぜん
わからないことのほうが多い
教科書の内容だけど──
みんな、はじめは
そうだったんだって。
新しいことだらけの
ぴかぴかの教科書を開いて、
一緒に時間を重ねるうちに
知らなかったことを身に着けていく。
誰でもそうなんだって。
だから、わからないことばかりでも
心配することはない。
ユキが大きくなったときは
自分の手で教科書を広げて──
そして、かしこくなっていくのだそうです。
ユキのお姉ちゃんが言うのだから
間違いはない。
お兄ちゃんもそう思うでしょう?
どきどきしちゃう──どうしよう?
大人になったユキは
ついに難しい方程式を覚え、
今はわからない謎や
知らないことの全てを
たちまち解き明かして
なんでもできるようになるとしたら?
吹雪ちゃんみたいに、
氷柱お姉ちゃんみたいに、
ユキが知りたいと思う質問を
答えられないことはひとつもない──
お兄ちゃんがいなくてさみしい時に
どこにいてもすぐに見つけ出して、
さみしかったと伝えられるような
なんでも知っている立派な人になって
楽しく過ごします──
進級を間近に迎える春休みは
いろんな夢を見る季節。
次の一年に向けて一歩を進めて
いつか叶えられる──
今日、暖かい日に見た夢は
そんなふうでした。
あしたもみんなと一緒に過ごしたいな!