観月

『チラシを広げて』
いつも元気な子も、
引っ込み思案な子も──
外で遊ぶのが
うれしくて、
汗をかき
いつもお腹を空かしている──
何度経験しても
やっぱり、春はよいものじゃ。
もりもり食べて
大きくなって、
せたけを計るに良い頃も
もうまもなく。
春休みになったら
まいにち朝から
兄じゃとも遊ぶぞ!
だが──
こんなにたのしい
ゆかいな春の日に、
買い置きのおかしを入れておく
戸棚の中身はからっぽ。
なぜ──?
きのう、あんなにおいしいおかしを
おなかいっぱい食べたのに、
やっぱり今日も
外から帰ったらよく手を洗い、
みんなでおいしく
残りがなくなるまで──いただいた。
全ては、元気な子供たちと
春のしわざなのだから
しかたがない。
小さい子にはとても言えぬ──
おやつが
おなかいっぱい食べられぬなどと──
ということで、チラシじゃ。
お手伝いをしてもらった
わずかなおこづかいで助け合い、
おいしいものを
これからたくさん
用意しておく──
材料を買い込んで自分たちでお料理をしてもいいし、
おせんべいをよくかんで食べてもいい。
たくさんの種類が詰まった袋入りなども
きっとみんな喜ぶぞ。
詳しい誰かの話を聞くのが
参考になるかもしれぬ──
その点、つい最近も
みんなのためにおかしを選んだばっかりの兄じゃであれば
相談相手に引っ張りだこになるのもわかるというもの──
今日も明日も
兄じゃは頼られて大変そうじゃ。
明るくてのどかなうれしい春が来たのだから、仕方がない。
そういうものなのだろう──
そんな兄じゃを助けるために
わらわもチラシをよく調べて掘り出し物を見つけるのじゃ。
やはり──おせんべいであろうか。
甘納豆もあるという──行楽のおともに良いからの。
お買い物の得意なホタ姉じゃと
チラシを部屋いっぱい広げるのが大好きな子供たちのどちらが役に立つか──
せたけの高さでは計れない
おうちのみんなでくらべっこがはじまるぞ!