吹雪

『春が来る』
蛍姉は機嫌がいいようです。
ひな祭りの準備も
順調に進んでいます──
何か楽しい発見があったのか?
蛍姉のことだから、家族のことだろうか?
それとも、新しいポケモンの進化を予想するのが
とても楽しいとも言っていたし──
もしかすると、暖かくてみんなが過ごしやすくなったのが
うれしいのかもしれない──
雪解け水でぬかるんだ庭が
ほころぶつぼみを探しながら歩けるほど、
また、去年の春にみんなで一緒にいた環境に
変わるのも──もうあと少し。
その時が来るのと、
日々活力を増す春の日差しに
私の体調がおそれをなすのと──
どちらが早いでしょう?
みんなは春が来た時の話を
たくさんしているようだけれど、
最近上がった気温に戸惑っている
私の耳には──
多くは入ってこない状態です。
よく聞こえてくるのは
ひな祭りの歌と、
春を喜ぶ歌。
毎日の隅っこに生まれる
見逃してしまいそうな変化を知り、
新しい始まりを喜ぶ歌──
この家に楽しそうな歌声が聞こえるのは
いつ以来だろう?
あれは──クリスマスやお正月が近づき、
厳しさを増す寒さに
すぐそばにいる誰かの手を取って──
頼りながら、たまに頼られながら
支えあって季節を乗り越えることを思った
冬を迎えた頃。
また私の毎日が
変わりはじめる頃に、
歌声は響いている。
また新しい季節が来るようです。
急な気温の変化もあるでしょう──お互い、体調には気を付けて過ごしましょう。