夕凪

『冬の街』
今日はいいお天気!
裏山の方にまだ残っていた雪解け水で
庭は泥でびちょびちょ。
靴も靴下も
半ズボンにスカート──
跳ね上げた泥で汚れた上着
足や顔まですっかり
まっくろの泥まみれ。
子供たちは──
いつでも、お外遊びが好きだもの。
冬が明けるころには
どうしても、
こうならないでは
いられない──
なんだか楽しくさせる
暖かい陽気と
踊り出すみんなの歌声がいけないの。
マホウに誘われるように
小さい子たちはお外へ向かう──
でも、心配しないで。
よくできていることに、
今日は晴れ。
見上げればさわやかな青だけが広がる
すっきりの日差しが降り注ぐ日。
となれば
靴を洗って
洗濯物を干して
まだそんなに春というには
早いけれど──
おうちで洗い物をした後の
乾くのをけなげにまっている
なにもかもが全て──
ひとつ残らず
すぐ乾く。
これもきっと
もうすぐ冬が終わる時期だけの──
新しいマホウに違いない。
不思議な力に詳しい夕凪が言うんだもの。
確かなことだ!
あ!
なんと!
こんなふうによく遊んで
お風呂上がりにおなかが空いた午後、
春風お姉ちゃんは
みんなが食べたい──
ホットケーキをたくさん作ってくれている。
夕凪の気持ちが
どうしてわかったの?
春が近づくと
不思議なことがいっぱいあると
小さい夕凪は、もう知っている。
お兄ちゃんといっしょに食べると
もっと楽しくなるんだよ!