海晴

『前日』
今日も寒いけど
ちゃんと暖かくしてる?
風邪を引きそうだなんてことはない?
なにしろ明日は
みんなが楽しみにしていたバレンタインデー。
がんばってチョコを選んで、
ラッピングも工夫して
喜んでもらう顔を思い浮かべて、
大丈夫かなって
不安になったりもして──
そんな日に、みんなから愛される
主役がいないなんてことになったら
たいへんだもの!
去年もキミといられて、
毎年いつもバレンタインデーを楽しく過ごしている
私の家族──
みんなを大事にしてくれる
素敵な男の子がいるのなら、
こんな日は──張り切ってしまうのは
どうしても仕方がない!
毎年、いつも必ず
申し分のない完璧な用意ができるとか、
気持ちを全部伝えてきっと届いたとか──
そんなふうに確信できるなんて
振り返ってみれば、一度もない気がするけれど
それでも私たちには大切で、
とても特別で
本当にうれしい──キミといられる日。
溢れる思いに任せて
好きなだけ
気持ちを伝えてもいい、
なんとなくそんな気がする
どきどきしてわくわくする
ときめいてしまう──
誰もが、みんなが
そのとおり。
ああ──もう明日なんだ。
あーちゃんや青空ちゃんも
小さい子たちも準備できたかしら?
おとなの海晴は──
できるだけのことをしたいのに、
その思いは
ちゃんとうまくいっている?
本当に──夢は叶いそう?
今はまだ、誰にもわからない。
だってすべての本番は、
明日のことなんだから!