ヒカル

『力をつけよう』
カロリーに悩むのは、
年頃の女の子としては
わからないこともないけれど
我が家ではどうしても
小さい子供の世話もあるから
よく食べて
よく動くものだ!
だいたい毎日そういうものだって
慣れてしまっているところがあるから──
麗も、料理番に誘われて
自分で作ったら残したくなくなると
甘い匂いの試作品が顔を見せはじめたキッチンに、
いろいろアドバイスをもらってうるさそうにしながら
あれは──
しょうゆのほんの少し焦げた匂いのあんばいが難しい
あれはきっとチャーハンへの挑戦だ。
コツを聞いてもなかなかうまくいかないよね──
残さないで食べてくれるといいけど。
私なんて、もう開き直って
自分で作ったものは当然だし
人が食べきれなかった分だってもったいないって手を出すし、
なんだったら放課後にお店によるのに
人を付き合わせるし──
寒い時期は体力が必要になるから
どうしても大盛りにしがち、
間食も増やしてしまいがちで
心配させてしまうのも
確かではある──
困った話だ!
もうすぐ春が来てもこんな調子だったら
そうなってはもう
大人も子供も、誰もが認める食いしんぼう。
そんなふうになる前に、
寒さでいいわけができる今のうちに
おいしくて体があったまるものを心置きなく──
じゃなくて。
少し食べすぎたと思った時の
運動にも気を使わなくちゃ。
いつも、ヒカルのところへ行けば
汗を流して
気持ちがすっきりするぞ──
そんなふうに決まっていれば
話は簡単なんだけど。
オマエは毎日どれだけ
気持ちよく汗をかいている?
春のスポーツ日和が来る前に
みんなより
楽しい時間を少し先取り──
なんてのも、
よく食べる時期にはいいことだと思わない?
大丈夫!
無理をしない運動から始めるから!