小雨

『前進!』
まだまだ寒い日が続いています。
もうすぐ二月。
冬はこれからが本番──
北風におびえながら
肩を丸め、小さくなって
人は過ごす──
まだしばらくは、そんな時期。
そう思っていたのですけど──
二月になったら
節分もあるし、
雛飾りの準備も始まるし
それに、みんなが楽しみにして
今からもうお菓子作りをがんばっている子もいる、
バレンタインデーも近づいています。
当日には、みんなどれだけ
お料理が上手になっていることだろう?
そう考えると
確かに、立夏ちゃんが言うみたいに
春が近づいているのを感じたって
おかしなことではないのかもしれないです。
今はまだ
冬の寒さや流行っているコロナで
外を出歩く気分ではないし、
うがい手洗いも欠かせない。
窓からの眺めも
まだ白く冷たくて、
植木鉢の花だってぐったりしがち。
明るい知らせなんて
ずっと遠い先みたいに感じるのに──
カレンダーをめくり
毎日を過ごしているうちに、
心配していても疑いそうでも
次の季節は本当にやって来る。
そうしたら──
その時に、みんなで外に出て行けるかどうか
今はまだ何もわからないけれど、
花壇の手入れに追われる春の庭は少し華やかになって、
みんなの話し声も少し明るく聞こえるかもしれない。
寒い時期を耐え抜いて、
二月になったら
日差しもうららかな過ごしやすい季節に──
近づくのだそうです。
小雨は、毎年知っているはずなのに
やっぱり怖がって
まだ背中を丸めている。
今年は──二月になったら
少し明るくなれるでしょうか?
お兄ちゃんも、どうか暖かく過ごしてください。
鈍感な小雨も──春の便りを聞いたら
お兄ちゃんにすぐに届けに行きたいです。