『コールドライト』
今日も寒い日だった。
どこにも行かず
家の中で過ごし、
家族と遊んで──
寒さを理由にすれば、
いつも急かされる片付けや掃除だって
しないですむのだから、
厚着をして
暖かい飲み物を手に
ゆっくり過ごすことだけ
気を付けていれば、
他に何もいらない──
そういう意味では
冬の一日にしては過ごしやすく、
誰かが寒そうにしていたら
すぐに目が行くこともあって
気持ちの安らかな
今日を過ごせて
とてもよかったと──
そう思えるいい日だったのではないか。
だけど、のんびり
子供たちを観察していると
ときどき──
窓を眺めて、
ぴくぴく耳を澄ませ──
何が待っているか、
まだ寒いのかどうか、
暖房のある部屋の中からは
ひとつもわからない
外の景色を──
何度も気にしているようだった。
いつもはしゃいで飛び回る
見慣れたあの庭を、
たまには憧れるように、
焦らされるように遠く眺める、
夢を見るような
そんな気持ちを育むのも──
寒い日でなければできない
特別な体験と言えるのかもしれない──
明日は晴れるといいな。
みんなで気持ちよく
外を歩くことができればいい──
それに、時間があるからと
家の中にいる子を残らずつかまえて
ご飯の支度に──
手間をかけようとする春風がいるだろう?
寒いと言っても
通じない相手が──
明るいこの家にだって存在するのだ。
とても学ぶことが多い──
寒さの厳しい冬の日だな──
明日、暖かくなったらみんなと
ゆっくり散歩でもして過ごしたいものだな。
こわばった体をゆっくり過ごして
きのうがんばった分のご飯も食べられてうれしいと
話しながら過ごすんだ──今からもう、そう決めてしまった!