ヒカル

『星空』
暮れるのも早い
冬の帰り道──
今日も暗い夜空に
またたく星が
ひとつ灯り、
またひとつ──
冬の澄んだ空気が
あの輝く光を
地上の私たちに届ける。
日が落ちた後と──
あと朝が来て暖かくなるまで。
遠い彼方まで見通せそうな
冷たい空気は、
朝の眺めに見る街並みも
別の景色に変えるようで、
雪をかぶった
遠い山のてっぺんや、
高台から見下ろす街並みを
どこまでも遠く
さえぎる何物もなく
寒さに息を整える
私たちのもとへと伝えて──
あと少し暖かい時間になれば、
またたく星とまとめて見渡せるこの世界を
何にも知らないまま
通り過ぎてしまうだなんて、
早起きしてよかった!
ほんの少しの差で
まったく違う経験になるんだから、
これはきっと世界には
私が見たことも聞いたこともないような
またたくきれいな何かが、
ほんの短い特別な時間だけ
すぐとなりで、
かすめるようにして
数えきれないほどに──
私のそばを
通り過ぎているんだろう。
いつかふと出会うかもしれない
見知らぬ何かに
今年はまだ会えなかったのかも──
そういえば、おもちはもう食べた?
まだ年が明けてもいないのに
食いしんぼうたちはよく噛んで新しい食べ方を試している。
たぶん、私のそばをかすめて通り過ぎるだけだった
新しい発見を
みんなのおかげでとらえられている。
おぞうに、おしるこ、あべかわに
あれは何だろう──
呼び名が付いているのかまだないのか。
空気の澄んだ時間の
私だけの冬空と並んだ
まだ見ぬ新しい発見が──
これでは年明け早々にもはじまりそう。
今年もいろいろあったな。
また来年もよろしく。
一緒にいろんな景色を見つけられたらいいな──