小雨

『長い旅』
机の明かりを落として
日記を閉じ、
長かった一日が終わろうとしています。
年末らしく何かとあわただしく、
いっぱいの荷物を運ぶ子供たちと
楽しいクリスマスを迎える準備──
おなかをすかせた子たちや、
鼻水が出ているのも気にせず笑い出し
踊りだす子たち。
大変なこともたくさんあって、
今日も小雨は失敗をしたけれど
みんなといられて
励ましてもらったりもしながら
明るく年の瀬を過ごしています。
せっかく作ったおでんは
煮込みすぎで柔らかくなったし、
やっぱりお皿も落としたし──
でも、なんとかがんばって
泣かないで一日を過ごせました。
本当は、もっと楽しく笑顔で
いつもみんなを
助けてあげられたらと思っているのに、
いつも小雨が支えてもらってばっかり。
できればいつも
笑顔でいられたらなって
一年の初めに、小雨にはむずかしいのだろうけど
もしもできるなら──って
少し考えていたのを
この時期は思い出します。
もちろん、できないことでした──
だけど、人間なんでもできるわけではない──と思うの。
前向きでいようとして
ほんの少しの時間だけでもそれが叶うなら、
できることからはじめよう──
それしかないもの。
この一年、やり残したことも悔いを残したことも多いですが
小雨はうつむかないで
ときどき笑顔でいられたことを思い出しながら
年を越せたらいいなと思っています。
明日もきっと大変ですが──あと少しになった年を、
少しでもいい思い出の多い年に出来たらいいな。
そういえば、くたくたになって
煮すぎたおでんは
どうなるかと思ったけど、
そのくらい味が染み込んだほうが好きな子もいるみたい──
お兄ちゃんはどうなんだろう?
聞いてみようかな──
一年も残りわずか。
明日も小雨は、やることがいっぱいです。