『氷柱が寂しがっている』
今日は日向で過ごすには
いい陽気だったな。
みんなの手で庭に運ばれて
水をかぶった鉢植えの花も
久しぶりに鮮やかさを取り戻した感じだ。
日が暮れたら油断はできないし、
それに年末にかけて寒くなるっていうから
今だけなのかもしれないけれど、
やっぱりいいお天気は気持ちがいいものだな。
だんだん進んでいる家の中の大掃除も
こういう日にできることをやっておかないと
いつまでも終わる気配がないし！
部屋の片づけが苦手でも
一年でこの時期くらいは
掃除が済んだ部屋ですがすがしく過ごせる。
今年の寒さで
それすらもなくなってしまったら
何の年末なのかって
少し疑問も感じそうだから
がんばらなきゃ！
でも、氷柱は寂しそうにしていたな。
みんなのことを
心配しているみたいだし、
あんまり片付けに手を貸しすぎるのも
相手のためにならない時もあるし
忙しい毎日に、家族のことを気にかけながら
自分は真っ先にやることを終わらせてしまった子。
こたつの布団を干して
みかんを用意し、
ポットのお湯も沸かし終え
お正月に遊ぶすごろくやかるたの準備も
こたつのそばに整え終えて
待っていたようだけど、
それでもやっぱりみんなは
晴れた日が大好きで
暖かい日差しと少し気が引き締まる風の気配に
わいわい言って駆けまわるのが大好き──
ふだん体を動かさない霙姉も
今年分の荷物をもって物置まで運び始めたから
いいお天気の魔力はたいしたものだ。
窓を開けた縁側で休憩して
新しい年に間に合うように
なんだかあわただしく過ごして──
すごろくやかるたはまだ参加する子がいないみたいだけど
みかんがあって氷柱が良く掃除して待っている
暖かい部屋は──
みかんにつられて
だんだん夕暮れを過ごす子も増えていくのだろう。
私もそろそろ本腰を入れて片付けなきゃ。
今年の分のいっぱいの荷物を物置に片付けるのは
少し寂しい気もするけど、
いいお天気もやがて外に出られない寒い日になっていくんだろうけど──
暖かい部屋でくつろいで
次の年を待つのだって、
楽しい時間だ。
うーん──私の部屋だと、片付くまでもう少しかかりそうな気はするけどね！
