吹雪

イノセンス
世の中は
私の知らないことが
まだまだたくさんある──
クリスマスに限ってみても、
この時期の一番の楽しみだと
みんなが待っている日であるのに、
サンタクロースがどうして良い子のもとへ
プレゼントを届けてくれるのかも
小さい妹たちに説明するのが難しい。
それはただ、
良い子であるからと
他に理由を加える必要はないのかもしれないけれど──
そもそも、何も知らない子供の頃は
サンタがプレゼントをくれることも
初めて聞いて、
クリスマスを楽しみにする春風姉から
幼い時に得た知識は
後に獲得したさまざまな分野の知識と同様、
あるいはそれ以上に
まだ知識の少ない私の世界を拡張させるものだった、
と言えるかもしれません。
クリスマスを身近に知り、
世界中の人が楽しみにして
私たちと同じように
待っているのだと──
知ったあの時に。
また、クリスマスは
いつもそれぞれの用事がある
大人数の私たち家族が、
一日を共に過ごし、
離れずにいつもそばにいて
お祝いをし、
祈るのだと──
それを知らない時期も私には
確かにあったようです。
小さな頃、
なぜかみんなが一緒に過ごして
どこにも行かず
楽しそうにしていた日が
あったような記憶があり、
なんだか不思議だったことを、よく覚えています。
家族で過ごす日だとも知らぬまま、
みんなで一緒にいて
ときどき笑って過ごす。
クリスマスの日だから
そうなのだと──
知らないことばかりたくさんあって、
他にも、ポインセチアは寒さに弱いから気を付けて見ているということ、
水をあげるのは土が乾いてからで、
あげすぎに注意。
クリスマスの赤と緑は
キリストの流した血と、永遠の命の意味もある常緑樹の色。
金色の星は納屋の上に灯ったベツレヘムの星で、
白い色をあしらうのは──純潔の象徴。
他にも例えば──
みんなが楽しみにする日に、
私が持つことのなかった新しい知識が増えていく。
今年もまた
金色の星の色と
純白の明かりの中で──
みんなと過ごすのだと思います。