小雨

『いい天気』
小雨です。
お兄ちゃんにはもう、
ばれてしまったでしょうか?
今日は良いお天気で
暖かく──
冬物の片づけをしないといけない
小雨でも、
ついつい日なたでのんびりして、
お仕事が進まなかったということを。
せっかくの楽しい日記に
今日は書くことも
あまりなくて、
キッチンではいつものように
おなかをすかせた子供たちが
騒いでいたようだし、
お庭の方では
観月ちゃんと青空ちゃんが
とんでもないものを見つけたって
大喜びしていたし、
誰も病気も
けがもせず、
いつも通りの普通のわがやです。
明日から12月、
今年もあとわずかという感じが
してくるけれど──
こんなに暖かい日を過ごすと、
なんだか冬も今年は
あまり厳しくないような気がして、
凍える寒さもあまりなくて──
ずっと誰も
怖い思いも寂しい思いもしないまま、
春の芽吹きを
待ち望んでいられるような、
そんな都合のいいことまで
考えていたのも──
小雨のしまりのない
ゆるみきった顔で過ごしたのを見ていたら、
もうお兄ちゃんにも
見抜かれてしまっていたのかも!
お兄ちゃんには──
隠し事をしない小雨です。
暖かい日を待ちわびて、
特に何事もない時間を過ごして──
流れる雲を眺めている子供。
雨が降りそうになったら
役に立つのかもしれない、
お天気が良くてうれしい冬の日は、
そんな一日を過ごしていました。