星花

『充電中』
夕凪ちゃんが
おつかれだ!
いいお天気で
ほどよく過ごしやすい毎日は
へとへとになるまで遊ばないと
なんだか
もったいない!
朝に目を開けた時の
カーテンから差し込む
一筋の朝日でもう
飛び起きた夕凪ちゃんは
星花と吹雪ちゃんの手を取って
踊る足取りも羽のように軽いんだもの。
夕方には──
うつらうつらで
テーブルについているに決まっている。
こうなったらもう
秋のスイーツも
窓の外で色付きはじめた景色も
くすぐっていたずらするおばけでさえ
誰も夕凪ちゃんを起こせない。
必要なのは
ひと眠り──
朝に星花を引っ張った手を
引っ張れば
日の当たるソファで
横になってくれるの。
顔には日が当たらないような位置まで
連れて行って──
毛布を掛ければひと段落。
こうしておけば
どうなるか
夕凪ちゃんの家族はみんな知っている。
こんなにいいお天気の下で
走り回ったんだもの。
校庭のはしからはしまで、
また戻ってきて
今日走った距離だけで
どんなに遠くだって行けるくらい。
だから次は
いいお天気を浴びて
目を閉じる番。
その横で星花も座って、
全力を出し切ったあとの
女の子は
少しだけ目を閉じるの。
またもうすぐ
お兄ちゃんが帰ってきたのを見つけて
みんながはしゃぎ出す時間まで、
あとほんのちょっとなんだから。