立夏

『深まる秋』
だんだん風は冷たく
日向が恋しくなったり──
枯れた落ち葉を踏み鳴らし
愛しいみんなの待つ家へ
走る足取りも軽く、
あーちゃんも気持ちよく
よだれを垂らして眠る、
季節は秋。
楽しいものは
今はどこで
見つかるかな?
おいしいものは
いったいどこにあって──
きれいなながめは
どのあたりで、
そして何か変わったものを
みつけたら──
真っ先に駆けよって
教えてあげたいオニーチャンは
今いったい
どこで何をしているのだろう!
おーい!
立夏はここだよー!
芸術の秋になったからか
どこかからいい歌が聞こえてくるし
小雨ちゃんも今日は
お庭を駆ける子たちをとおく眺めて
落ち着いて本が読める秋。
それにホタおねーちゃんの
あの手にしている
あれは──
あれはいったい
何の秋か知らないけれど
たのしそうだよ!
気が付いたら、見るものいっぱいで
立ち止まっていられない。
人によっては
センチメンタルになるなんてうわさもあるけど
本当なのかな?
枯れ葉を見て──
掃除当番になった日は大変そうだ、とか
もしかすると誰でも
そういうことってあるかもネ。
立夏がそうだったらなぐさめてね。
おなかも
すいてきたのは秋のせい──
つまみ食いができるタイミングと
隠れて近づくルートの開拓、
新たな冒険を
体が求めている今は──
何かをするのにいい季節。
やっぱり世の中ぜんぶが
秋の色に染まってきたんだと思うヨ。