立夏

『おしとやかチャレンジ』
誰にも優しくて
相手のしてほしいことに
すぐ気が付くし
いっつも笑顔でいる。
困った人がいるところへ
必ずやって来て
話を聞いてくれたりもするよ──
ああ、みんなのあこがれ。
うるさくなくて
ばたばたしない、、
それはおしとやかなお姉さん。
海晴おねーちゃんは
お仕事もできるんだな!
春風おねーちゃんは
やさしいね!
みんなが注目する
霙おねーちゃんは──
おやつをくれるし
なでてもくれるし
遊んでくれる。
いったい
あの姿は
おしとやか?
女の子の夢見る理想像なのか
そうでないのか──
立夏は考える。
迷いがないように
自分の進む道を見つける
凛々しい後ろ姿は──
というわけで、ぬいぐるみが帰ってきたよ!
まるで千切れていた部分は
少しもなかった頃に
時間を戻して連れてきたかのよう。
わわわ!
こんなふうに
隠していた腕前があったなんて。
でも、霙おねーちゃんの針仕事は誰も見ていない。
もしかしたらおやつで頼んで
誰かに助けてもらったのかも──
みんなが心配していたぬいぐるみを助けてくれた霙おねーちゃんは
普段は真っ先に名前が挙がる
あこがれではないのかもしれないけれど、
本当はとっても頼りになる。
しかも同じぬいぐるみが
もう一つ元気にやってきた。
霙お姉ちゃんの抱っこする
右と左に一体ずつ、
増えた!
なんで?
誰にも見せなかった作業の間に
一体何があったのだろう。
謎は多く、
でもみんなが大好きな霙おねーちゃん。
あんなふうに
立夏もなりたいな!
お裁縫が下手でも
なれるかな?