海晴

『答え』
今日も子供たちは
真剣な顔で考えている。
バニラ? チョコレート?
ミントにレモン──
答えの出ない難題だらけ。
でも、不思議に思うの。
私たちが子供の時も
あんなに一生懸命に
真面目な顔をして
あれほどまでに──
悩んでいたっけ?
かくれんぼか鬼ごっこかを決める
じゃんけんの時でさえ
絶対に負けたくなくて
紅潮した頬、
高鳴る鼓動、
熱く燃えるような声で
伝える大好きな気持ち!
あれはまるで
見間違いをしそうなほどに
恋をしているよう。
ああ、わかった──
子供の頃のあの気持ちを
私たちが忘れてしまうのは
もっと激しく心が揺さぶられる
恋をして、
もっと決して譲れない
大事なものばっかりが
心に増えていくということなのかも──
だってあの
真っ直ぐな瞳の霙ちゃんは
子供たちとは少し違って
真面目は真面目でも、
もうすでに一生を捧げると
心の中で覚悟を決めた
一人の大人の横顔。
今日のおやつにたくさん用意されたミニパンの
粒あんこしあん白あんうぐいす、
マーマレードやピーナッツバター。
人は大事なものを
見つけたのなら、
あんなにきれいな目の
魅力的な顔ができるのね。
私もまさか
大事な人と食べるおやつの時間を
絶対に外れない答えを見つけるために
どれならキミにも
最高に気に入ってもらえるのか──
考えながら素敵な顔をしているのだとしたら!
知らないうちにそういうことも
あるのかしら?
霙ちゃんも同じことを考えて
いい顔をしているのかな。
キミもときどき、
そんな目をしているような──
やっぱり今日も
答えを外したくないおやつタイム。
いい顔を
もっと見たくなる!