春風

『信頼』
はいっ!
暑い夏には
春風の作る冷たい飲み物を──
どうぞ♪
足りなくなることが
決してないように
たくさんたくさん
作ります!
今日も家族は
元気でいてくれて──
春風を見ると
駆け寄ってきては
抱っこをせがんだり
手を引いて
つかまえた大きな虫を見せたがったり
甘えてばっかり。
王子様もちゃんと
春風を見つけたら
甘えていますか?
待っているの──
家族に遠慮なんてものが
ちっともなにひとつ
まるっきりなくて、
春風にしてほしいこと、
見てもらいたいこと、
それから
何か聞いてもらいたいことを
なんでも残らず
隠さないで伝えてくれたらいいのにな。
だって、
ときどきは
春風の話も
聞いてほしいので、
悩みも
なんでもないことも
今の気持ちを
残らず伝えたいので──
私たち家族って、
こういうものだと思ってもらわないと。
早く、春風が
王子様をどんなふうに思っているか
わかってもらわないと。
ところで──
あんまり夏が来ても
みんな薄着ばっかりでは
はしたないですか?
王子様の意見が必要な時です!
それから、夏だからといって
張り切って冷たいものを作りすぎたら
みんなを困らせてしまうかどうかも──
……やっぱり、
いくらなんでも
冷蔵庫をいっぱいにして
さらに入りきらないくらいのレモネードは
やりすぎたかも──
王子様に春風の過ごす
たくさんの夏のできごとを
ぜんぶ残らず伝えたい──
春風の何もかも
伝えたいんです。