ヒカル

『梅雨時のヒーロー』
じめじめ
しっとり──
ちびっこたちがかえるみたいに
雨の歌を奏でる日々。
蒸し暑くて汗ばむのも
なかなか曲者だけど、
かといって冷たい飲み物で
涼もうとすると
ぽつぽつ
気温を下げる雨が邪魔をする──
そう、
水分補給を制する者こそ
うっとおしい梅雨の季節を乗り越えるに
ふさわしい力を持っている。
そんな気もちょっとしてくる。
思い切って熱いお湯で作ったカルピスに
少し混ぜてみたはちみつは
元気を取り戻すのにいい感じ。
それと、この季節ならではの
青梅と氷砂糖で作る
梅シロップ。
水で割ったら酸味と甘みが
疲れた体をリフレッシュしてくれるようで
こんな時期に
まさかのすっきりとしたさわやかな快感。
大変な毎日を快適に過ごそうとする
人間の工夫は
果てしなく尽きないもの──
それにしても、手間のかかる
梅を付ける作業を
黙々とこなす蛍たちは
たいしたものだ──
梅を洗って
水分をよくふき取り、
保存便の殺菌もしっかりと。
てきぱきと進む工程は
妹たちと並んで眺めているだけで
なんだか楽しい──
やがておいしいものができあがる楽しみ。
困った季節に立ち向かう力は
あんなふうに地道な作業で
できあがっているのかもしれない──
春も夏も、私の体は
助け合うみんなと
いつもいつも感謝したいできごとでいっぱい。
おいしいものを
いつもありがとう──
元気をいつもありがとう。
子供たちの明るいかえるの歌は
今日も消えることはない。
ときどき洗い物や梅シロップ作りのお手伝いの仕事が
回ってくることがある。
こうして続く毎日に──
やがて私もみんなを元気にする力を
見つけることができるのかな?
なんだか──私には
気の遠くなるくらい遠い目標だ。
ともあれ、地道に過ごす梅雨時だ!
こんなふうに助け合ったごほうびをもらえるなら
明日は晴れるといいな──と思う。