観月

『結果報告』
しーっ!
静かに。
春風姉じゃと
氷柱姉じゃ──
そしてなぜか立夏姉じゃは
すっかりお疲れでお休み中なのじゃ。
霙姉じゃが途中で投げ出し、
残された者たちが
夜な夜な
続けていたお仕事を──
ついに成し遂げたという。
協力し合い
お掃除であたりをピッカピカに磨き、
たくさんのお届け物をして、
花壇に水を撒いてお花を咲かせ、
やっと社長に就任して
終わり──
そんな遊びを
テレビに向かって続けていた夜も
これでおしまい。
やり残したことがあると
気になる子たちのため、
氷柱姉じゃはとてもがんばったそうじゃ!
最近の我が家の様子は──
みんなを守るやさしいキュウビが
夜になると
そわそわするようだったから──
心配して見守っていたが
何事もないようでよかった。
あまり夜更かしをすると
容赦のないことに、
暗がりにだけ住むことができる
怪しいものどもが──
ついうっかり鉢合わせをしないとも限らぬし、
あるいは夜を過ごすうちに
やがてそのものに
変わり果てるという言い伝えも
古くからあるから──
そういうものと縁がなくてよかったな!
もう一安心といったところか。
おや?
また霙姉じゃが衝動買いでもしたのか、
ゲーム機にダウンロード中の
この黄色いアイコンは──
はじめて──
プログラ──
ううむ、わらわはまだこどもなので
むずかしい言葉は何もわからぬが
きっと、たいしたものではないであろう。
何も見なかったことに──しておこう。
それにしても、今日もからりと晴れた
気持ちの良いお天気。
我が家にはこれから先も、
何も恐れることなどやって来ないに決まっておる。
なべて余は事もなし──じゃな。
つるかめつるかめ。